歯科技工士とは
歯科医師が作成した指示書を元に、義歯や補綴物などの製作・加工を行う医療系技術専門職のこと

永久歯の寿命はおよそ50年前後といわれており、歯が欠けたり抜けたりすると元に戻すことができなくなります。
歯科技工士は、このように失われた歯を作ることが仕事です。
患者の失われた歯を最適な状態に復元することができるため、患者からはかけがえのない存在といわれております。
ただし歯科技工士は、歯科医師や歯科衛生士と違い患者の口内に触れることはできないため、直接治療を行うことができません。

歯科技工士になるには?

厚生労働省の発表によれば、歯科技工士の人数は平成28年で34,640人おり、毎年減少傾向です。
昨今の歯科技工は、CAD/CAM テクノロジーをはじめとするデジタル化が急速に進展するとともに、新素材の開発も次々と行われております。
非常に高度な精密技工技術と審美感覚が求められるようになったため、その大変さから徐々に志願者が減少しております。
歯科技工士の資格は、厚生労働大臣免許の国家資格です。
取得するには、毎年行われる歯科技工士国家試験に合格する必要があります。
下記は受験資格です。
- (1)文部科学大臣の指定した歯科技工士学校を卒業した者
- (2)都道府県知事の指定した歯科技工士養成所を卒業した者
- (3)歯科医師国家試験又は歯科医師国家試験予備試験を受けることができる者
- (4)外国の歯科技工士学校もしくは歯科技工士養成所を卒業し、又は外国で歯科技工士の免許を受けた者で、厚生労働大臣が(1)、(2)又は(3)に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者
歯科技工士国家試験の受験者数は毎年減少傾向にありますが、人工の歯科技工物を一手に引き受けるため、需要がなくなることはありません。

歯科技工士はどこで働いているの?

主な就職先は歯科技工所や歯科医院、総合病院などで、歯科技工士全体の約7割は歯科技工所で働いております。
歯科技工所は歯科医院や病院からの発注を受け、歯科技工物を製作してから納品までの一連の作業を行います。納品されたものは、歯科医院で歯科医師が詳細な相談をしながら作業を行っていきます。
歯科医院ごとで異なりますが、歯科技工士が歯科助手として兼務することもあります。
歯科が内設されている総合病院では、歯科技工室が設けられており、歯科医院に比べて特殊な技工物を作成することもあります。
また決して多くはありませんが、歯科技工士は歯科器材メーカーや材料関連の企業で働く機会もあります。
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まとめ

歯科技工士を年齢階級別にみますと、平成28年時点では29歳未満は約12%、50歳以上は約48%と約半数が高年齢です。若手がなかなか育たない深刻な状況ではありますが、就職先が見つからないことはほとんどないと言われております。
歯科技工士の仕事は歯を必要とする患者に貢献できる唯一の仕事であるだけでなく、日本の歯科技工士の技術は世界からも高い評価を受けており、誇りの持てる仕事と言えます。
