歯と歯の間にある歯垢を落とすには、歯間ブラシやデンタルフロスが効果的ですが、歯と歯茎の境目や歯と歯の間に溜まった汚れは、電動歯ブラシが効果的です。
ここでは電動歯ブラシの正しい使い方と効率的に歯を磨く方法を紹介しています。
∟毛先は歯に軽く触れるようにする
∟ゴシゴシ擦らないようにする
∟歯垢を確認しながら磨くようにする
∟電動歯ブラシだけでは落としきれない部分があることを理解する
∟使った後は十分に乾燥させる
∟ブラシは定期的に交換する
∟歯磨き粉は慎重に選ぶようにする
4.まとめ
電動歯ブラシの種類
電動歯ブラシの種類は、大きく分けて3種類あります。3種類と言ってもサイズや価格、充電時間やIoT機能搭載(*)の有無など、自分に合う電動歯ブラシを見つけのは結構難しいものです。
ここでは電動歯ブラシを選ぶ際の参考として、3種類の特徴を掲載しております。
※IoT機能搭載…インターネット経由で相互通信させて遠隔から収集した情報の確認・制御ができる機能を搭載していること
振動式は比較的安価であることと、モーター振動により手で行うよりも高い清掃効果が期待できることが特徴です。
振動式の電動歯ブラシは、毎分数千回の高速往復運動による振動で、手を動かさなくても歯に直接毛先を当てて歯垢を落とすことができます。
ただし当てる場所を間違えると歯茎にダメージを与えてしまう恐れもありますので、注意する必要があります。
また電池式のものであれば、持ち運びにも便利です。
回転式はブラシが丸型になっており、振動式と比べて歯垢除去力が強いのが特徴です。
回転式の電動歯ブラシは、手で磨く感覚に近く歯を磨くことの満足感が得られると言われております。
丸型ブラシの回転は、振動が大きく強力なことから、歯肉への刺激が強く正しく使用しないと歯や歯肉を傷める可能性があります。歯茎が弱い方は、いきなりこのタイプを選ぶことは避けた方が良いでしょう。
音波式は毎分3万~5万回ほど振動させて、音波を加えて気泡や高速水流を発生させるのが特徴です。
音波による振動は、2~3mm離れた毛先の触れていない部分の歯垢までも落とすことができます。超音波式は音波式よりも歯垢除去力が高く非常に音が静かです。振動も毎分100万~120万回ほど振動しますので、口内細菌の連鎖を断ち切り歯垢がつきにくく、はがしやすくなると言われております。
音波式は非常に優秀ではありますが、かなり価格が高めになっております。
電動歯ブラシの正しい使い方
電動歯ブラシの効果を最大限発揮するには、正しく使用することが大切です。
電動歯ブラシと手磨きでは大きく違う点があります。普通の歯ブラシは歯垢を擦り落とすようにして磨きますが、電動歯ブラシは歯垢を粉砕します。このことを間違えてしまうと普通の歯ブラシで磨くよりも歯垢を落とせないことがあるため注意が必要です。
電動歯ブラシを正しく使うためにも次のポイントを押さえておきましょう。
電動歯ブラシの持ち味は毛先を高速で動かすことです。電動歯ブラシは、ブラシの先端に振動が集中するように設計されているため、ブラシを強く当ててしまうと効果が最大限に発揮できません。逆に磨き残しにつながりますので注意しましょう。
普通の歯ブラシは歯垢を擦るようにして磨きますが、電動歯ブラシは振動で歯垢を粉砕するため、ゴシゴシ擦ってしまうとうまく振動が伝わらない可能性があります。
動かすときのポイントは奥から手前にゆっくり移動させることです。
電動歯ブラシは毛先を押し付けないように磨きますが、毛先が触れていなければ歯垢を落とすことはできません(音波式はブラシを歯に近づけることで落とせることもあります)。
歯はゆるやかな曲面になっているため、表面が磨けていてもその周囲は磨き残しになっていることがあります。鏡で歯を確認しながら行うと良いでしょう。
電動歯ブラシは歯の表面を磨くことには長けておりますが、歯間の歯垢を落とすことにはあまり向いておりません。ブラシの先端を斜めに傾けて磨けばある程度の歯垢は落とすことができますが、密着している部分を取り除くのは困難だと思われます。
そのため電動歯ブラシを使用する前に、歯間ブラシやデンタルフロスで歯垢を落としておくと効果的です。
電動歯ブラシの使用後は、ブラシを流水ですすぎ乾燥させます。十分に乾燥させることでブラシを常に清潔な状態に保ち、ブラッシングの効果を高めたりブラシの劣化を防いだりすることにも繋がります。
ブラシ部分だけでなく、ブラシヘッドと本体の継ぎ目の部分もきれいに落としておきましょう。継ぎ目部分の汚れは、接触不良や故障の原因になる可能性もあるため、常に清潔な状態にしておきましょう。
ブラシの交換時期は、メーカーや機種により異なりますので取扱説明書を確認するようにしましょう。
一般的に推奨されている交換時期としては、3ヵ月と言われております。清潔な状態が保てていても、ブラシの毛先が開いたり変色したりしてくることは避けられません。定期的な交換をおすすめします。
多くの電動歯ブラシは、必ずしも歯磨き粉をつけなくても歯垢を落とすことができると言われております。歯磨き粉を使う際には、研磨剤や発泡剤が含まれていないものを選ぶことが推奨されております。
電動歯ブラシは高速で振動するため、研磨剤を含んでいる歯磨き粉では歯の表面を必要以上に削ってしまう恐れがあります。
また発泡剤が含まれているものは、泡が立ちすぎて磨きにくくなることがあるため、注意が必要です。
定期的に歯科検診へ行こう
清潔な口内環境を維持するためにも定期的に歯科検診へ行くようにしましょう。
電動歯ブラシはオーラルケアにおいて非常に優れておりますが、見えない部分や口内細菌のチェックなどは、歯科医院で確認してもらう必要があります。
歯科検診では、ブラッシングについての指導や相談だけでなく、必要に応じて歯石の除去なども行ってくれます。
虫歯や歯周病などの予防・早期発見にも繋がるため、定期的に歯科検診へ行くようにしましょう。
まとめ
電動歯ブラシは正しく使わないと、歯を効果的に磨けないことが理解できたのではないでしょうか。また磨くだけでなく、磨いた後のお手入れも大事であることがわかったと思います。
電動歯ブラシには様々な特徴があり、異なる機能や価格の違いなど複数ありますが、自分に適したものを探し出して、清潔な口内環境を保てるようにしていきましょう。