歯医者で急増中!歯を溶かす酸蝕症とは?

更新日2022.05.17

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酸蝕症(さんしょくしょう)とは?

歯の硬組織であるエナメル質が化学的に損傷してしまうこと

酸蝕症(さんしょくしょう)とは?

酸蝕症は、虫歯や歯周病のような原因菌とは異なり、身近な酸性の飲食物や、胃液で歯を溶かしてしまう症状です。

歯の表面が溶けてしまった歯を酸蝕歯(さんしょくし)と呼びます。

歯の表面には、人体で最も硬い組織のエナメル質があり、容易に損傷させることができませんが、エナメル質は酸に弱いことがわかっております。

エナメル質が溶け、その下の象牙質がむき出しの状態になると、歯がしみたり、欠けたりすることもあります。

酸蝕症には、以下のような特徴があります。

  • 歯が欠け出してギザギザになる
  • 歯の白さが失われて先端が薄くなってくる
  • 歯に傷がつく
  • 歯と歯の間に隙間ができる
  • 詰め物や被せものが外れやすくなる
  • 物を噛んだときに痛む(咬合痛)
  • 歯の表面が白濁する(または黄ばむ)
  • 知覚過敏の症状が出る
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酸蝕症と虫歯の違い

酸蝕症と虫歯は、どちらも歯にとって悪影響をもたらしますが、性質や対処の仕方が異なります。

主な違いは、以下の通りです。

酸蝕症 虫歯
性質 食べ物や飲み物に含まれる酸により、エナメル質を軟化させます。 虫歯菌が歯垢の中で酸を作り出して、エナメル質を分解します。
発生場所 酸蝕症は、歯の表面全体で発生します。 虫歯は、歯垢の残った部分から発生します。
発生原因 健康な歯でも、酸に触れる機会があれば、酸蝕症の危険性はあります。 歯垢が残っていると、虫歯になる可能性があります。
進行具合 酸蝕症は、非常にゆっくりと進行します。 虫歯は、進行が早いものから、ほとんど進行しないものまであります。
ブラッシング エナメル質が軟化しているため、柔らかめの歯ブラシがおすすめです。 歯垢を落とすため、歯ブラシは毛先のコンパクトなものが効果的です。

酸蝕症や虫歯は、進行する前の対応が重要です。
自分の口内が気になる方は、歯科医院へ相談することをお勧めします。

酸蝕症になりやすい食物は?

酸蝕症になりやすい食物は?

日常生活の食事において、口内の唾液が十分に分泌されていれば、酸を洗い流し、中和してくれるため、酸蝕症の心配はほとんどありません。

しかし、酸性の飲食物ばかり口にしたり、酸性の強い飲食物を口にしたりすると、唾液の中和作用が間に合わなくなり、酸蝕症のリスクが高まります。

また、飲食物のような外因性ではなく、逆流性食道炎や拒食症、アルコール中毒などで嘔吐を引き起こしてしまう内因性は、強酸である胃液が、歯に悪影響を与えかねません。

酸の強弱は、pH(ピーエイチ)で表すことができます。
中性であるpH7から、数値が低くなるにつれて、酸性度が強くなります。歯の表面にあるエナメル質は、pH5.5以下の酸性から溶け始めることがわかっております。

以下は、飲食物の一般的な酸性度を、数値化したものです。

●各種飲料のpH

各種飲料のpH

※ヨーグルトは、リンやカルシウムが含まれているため、酸蝕が起こりにくいです。

コーラのpH値は、他の飲み物よりも低く、ダイエットコーラでさえも、酸性度は変わりません。
スポーツドリンクは、健康飲料のイメージが強いですが、飲みすぎには注意が必要です。

●柑橘類・野菜のpH

柑橘類・野菜のpH

健康に良い果物や野菜は、酸味の元であるクエン酸が含まれているため、摂りすぎないように注意が必要です。

●各種アルコールのpH

各種アルコールのpH

アルコールで歯が溶けることはありませんが、成分として含まれている酸には、注意が必要です。

酸蝕症を予防するには?

酸蝕症を予防するには?1

2019年現在の医療では、酸蝕症で溶け出したエナメル質を補修することはできても、失われたエナメル質を完全に再生することはできません。

自分の歯が酸蝕歯となる前に、予防しておくことが重要です。

何時間も飲食を続けてしまう方は、歯が酸にさらされる時間が長くなります。物をよく噛むことで、唾液の分泌を促すことはできますが、長時間の飲食は、控えるようにしましょう。

特に間食がかなり多い方は、回数を減らすように心がけましょう。

酸蝕症を予防するには?2

また、酸性の飲食物をとった後は、水で口をすすいだり、お茶や牛乳を飲んだりして、口の中をできるだけ中性に近づけることも、酸蝕症の予防につながります。

他にも、ガムを噛んで唾液を多く出すことで、口を中性に保つ方法もあります。

普段の食生活の中で、必要以上に酸性の飲食物を避けることはありませんが、食べすぎや飲みすぎ、食べ合わせなどを、見直されてはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ

酸蝕症は、虫歯や歯周病に次ぐ第3の歯牙疾患とも言われております。

酸蝕症から歯を守るには、歯の表面にあるエナメル質を傷めないようにケアすることが大切です。

食後の歯磨きは、唾液が中性に戻す働きと、再石灰化と呼ばれる歯の修復が行われるため、30分から60分ほど時間を空けて行うと良いと言われております。

さらに、酸蝕症から歯を守るには、フッ素配合の歯磨き粉を使用することが効果的です。

フッ素は、歯の表面にエナメル質と同じ構造の結晶を作り出す効果があり、歯の表面を強化します。

歯ブラシの毛先は、エナメル質を摩耗させないために、少しやわらかめのものを使うと良いでしょう。

酸蝕症は、自分では気づきにくく、進行してしまうと、自然に完治するのは難しいと言われております。
大切な歯をいつまでも健康な状態に保つためにも、異変や痛みを感じたら、できるだけ早く歯科医院で専門の先生に相談しましょう。

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