詰め物や被せ物の寿命は素材や使用状況によって異なりますが、一般的に10年程度と言われており、年数を重ねるにつれて欠けたり取れたりするリスクは高くなります。
詰め物や被せ物が取れる原因の多くは、食事中や歯磨きの際に起きます。痛みがなかったとしても、放置することで思わぬトラブルに発展する可能性があるため、早めに歯科医院で処置を受けることが大切です。
ここでは、詰め物や被せ物が取れた際に自宅でできる応急処置や注意すべき行動、歯科医院を受診するまでの過ごし方などをまとめております。
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詰め物・被せ物が取れたときの応急処置
外れた詰め物は捨てずに保管

外れた詰め物や被せ物は再利用できる可能性があります。汚れていても水で軽くすすぐ程度にとどめ、ティッシュで拭いたり歯ブラシでこすったりはしないようにしてください。その後、乾燥を防ぐために清潔な容器に入れ、できれば湿らせたガーゼやラップで包んで保管すると安心です。
無理な自己処置は避ける

市販の接着剤や瞬間接着剤を使い、自分で元の位置に戻すことは絶対に避けてください。誤った接着で歯や歯ぐきを傷めてしまうことがあり、再治療を困難にするおそれがあります。応急的にカバーするための市販の仮詰め材などはありますが、あくまでも歯科医院に行くまでの一時的な措置として使用し、できるだけ早く受診してください。
痛みがないから放置はリスクでしかない

詰め物や被せ物が取れた直後に痛みがない場合でも、そのまま放置するのは非常に危険です。取れた部分の内部は、虫歯や感染が進行しやすい状態になっている可能性があります。
詰め物が外れた部分には食べかすや細菌が入り込みやすく、再び虫歯ができる、あるいは神経にまで炎症が広がる恐れがあります。痛みが出てからでは治療の範囲が広がることもあり、結果的に治療期間や費用が増える原因になります。
また、詰め物や被せ物が外れた歯を使って咀嚼を続けた場合は、歯が欠けたり割れたりする危険性もあります。たとえ違和感がなくてもできるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。
絶対にやってはいけないNG行動
強く磨きすぎる

詰め物や被せ物が取れた後の歯磨きは、力を入れてゴシゴシ磨くと歯の表面や歯ぐきを傷つけてしまう可能性があります。
特に露出した象牙質は刺激に弱く、知覚過敏や炎症の原因にもなります。汚れが気になる場合は、柔らかい歯ブラシでやさしく磨くようにしましょう。
硬い・粘着性のある食べ物を食べる

硬いせんべいやナッツ、キャラメル、ガムなどは、詰め物や被せ物が取れた歯に負担がかかります。
詰め物や被せ物は歯を削った隙間に設置するため、硬い食べ物はさらに歯を欠損させる原因にもなります。食べる際は、できるだけ反対側の歯を使い、やわらかいものを選びましょう。
外れた詰め物を口の中に戻して使う

取れた詰め物を元の位置に乗せて使うことは、仮に安定したとしてもかなり危険です。
一度取れてしまった詰め物や被せ物は、いずれすぐに取れてしまいます。また食べ物と一緒に飲み込むおそれがある他、噛み合わせがズレて歯や顎に負担がかかる可能性があります。
歯医者に行くまでの過ごし方
詰め物や被せ物が取れた場合は、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切ですが、すぐに行けない事情がある方も少なくありません。その際、歯の状態をこれ以上悪化させないようにするための注意点は以下の通りです。
食事はできるだけ反対側の歯で
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詰め物や被せ物が取れた部分では咀嚼を避けるようにし、反対側の歯でやわらかいものを食べるようにしましょう。硬いものや粘着性のある食品は控えてください。
刺激の強い飲食物を避ける
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冷たいものや熱いもの、甘いもの、酸味の強いものは、露出した歯に刺激を与える可能性があります。痛みがなくても神経に影響が出るおそれがあるため、できるだけ避けるようにしましょう。
歯磨きはやさしく丁寧に
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取れた部分を避けつつ、やわらかめの歯ブラシを使って優しく磨くようにしてください。詰め物や被せ物が取れた部分は細菌が繁殖しやすいため、口腔内を清潔に保つことが大切です。ただし欠損部分を強くこすりすぎると知覚過敏を引き起こすことがあるため、歯磨きには細心の注意が必要です。
外れた詰め物は清潔に保管する
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取れてしまった詰め物や被せ物は、小さく欠けてしまっても再利用の可能性があるため、乾燥させずに清潔な容器に保管しておきましょう。湿らせたガーゼやラップで包むとより安心です。歯科医院を受診する際には必ず持参しましょう。
歯科医院を受診するまでのあいだは、清潔に・刺激を避けて・無理をしないを意識することが、トラブルの拡大を防ぐポイントです。
こんなときは要注意!詰め物・被せ物が取れやすくなる行動

詰め物や被せ物は、一度しっかり装着されても日々の生活習慣や口内環境の変化により、取れやすくなるリスクがあります。以下のような行動や癖のある場合は注意が必要です。
硬いもの・粘着性のある食品を頻繁に食べている |
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氷を噛む、硬いせんべいをかじる、キャラメルやガムを好んで食べるなどの習慣は、詰め物や被せ物に強い力や引っ張りの負荷がかかります。これが繰り返されることで接着面が劣化し、外れやすくなる原因になります。 |
歯ぎしりや食いしばりの癖がある |
無意識のうちに強い力が歯にかかる歯ぎしりや食いしばりは、詰め物や被せ物の破損・脱落の大きな原因のひとつです。症状が疑われる場合は、歯科医院での相談やマウスピースの使用を検討するとよいでしょう。 |
歯の定期検診を受けていない |
小さな虫歯や詰め物のズレは、自覚症状がないまま進行することがあります。定期検診を受けていれば、劣化や緩みを早期に発見し大きなトラブルを未然に防ぐことが可能です。 |
日々のちょっとした習慣が、詰め物や被せ物のトラブルを引き起こすきっかけになることもあります。思い当たる点があれば、早めの対処や見直しを心がけましょう。
よくあるQ&A

詰め物や被せ物が破損していなければ、再装着が可能なこともあります。ただし歯や詰め物の状態を確認する必要があるため、必ず歯科医院で判断してもらいましょう。自己判断で戻すのは危険です。
まとめ

詰め物や被せ物が取れることは、誰にでも起こり得るトラブルです。痛みがなくても放置すれば虫歯や歯の破損につながるため、別の治療が必要になる可能性があります。大切なのは、取れた直後に適切な応急処置を行い、できるだけ早く歯科医院を受診することです。
自宅では詰め物を清潔に保管し、強い刺激や無理な咀嚼を避けるなど、歯を守る行動を心がけましょう。また硬いものを頻繁に食べる方や歯ぎしりの癖がある方は、再発防止の観点から日常の習慣を見直すことも大切です。