顎関節症とは、口を開け閉めするときに耳の周辺で音がしたり、口が開けづらかったり、あごに痛みを感じたりする症状のことをいいます。
特に20代の女性に多くみられる疾患とされています。
主な症状は、あごが痛む、口が大きく開けられない、あごを動かすと音がする、噛み合わせに違和感を感じる、口を完全に閉じられない、頭痛、耳鳴り、肩こり、肩や首の痛み、など。
症状が重い場合は、治療期間が1年以上も要したり、外科手術が必要になるケースもあります。

- 歯を接触させない
- 硬いものは食べない
- 口を大きく開けない・冷湿布、温湿布(痛みの急性期には冷湿布が有効)
- マッサージ(血行がよくなり痛みが軽減される)
- よい姿勢を保つ
- うつ伏せ寝をしない
- あごの運動をする
- リラクゼーション(緊張をほぐし、顎に負担をかけないようにする)
- 全身運動(基礎体力の維持や全身の血行をよくする)
- あごに負担をかけない生活(歯を食いしばるスポーツ、管楽器の演奏、口を大きく開ける発声練習などを控える)


症状に応じて治療法が異なり、原因を解消する治療と痛みなどの症状を緩和する治療があります。
認知行動療法
歯ぎしりや、食いしばり、姿勢の悪さなどの悪習慣が顎関節症の原因となるため、生活指導を受けて改善を行います。
心理的な要因(強いストレス、不安になるなど)が強い場合は、心療内科と連携して治療を行います。
物理療法
痛みの軽減のために患部を温めたり冷やしたりします。
運動療法
開口や顎を動かし、口がよく開くようにします。
スプリント療法
スプリント(マウスピースのような装置)を装着することで顎関節や筋肉への負担を軽減したり、歯ぎしりや食いしばりの害を緩和します。
理学療法
筋の訓練やマッサージを行い、関節や筋肉の運動能力の回復や、痛みを軽減させます。
薬物療法
薬を使用して、痛みや、炎症、負担などを軽減させます
痛みが強い場合(→鎮痛剤、消炎剤)
筋肉が痛みで固まっている場合(→筋弛緩剤)
夜間の歯ぎしりや食いしばりが酷い方(→入眠剤)
痛みの軽減(→抗不安薬、抗うつ薬を使用する場合もある)
外科療法
治療で症状が改善されない場合は、外科療法が行われることもあります。
- 関節内に強い炎症がある場合
関節腔内洗浄療法:針をさして関節内部の物質を洗い流す治療法 - 関節内で関節円板と骨の癒着がある場合
関節鏡手術:癒着部分をはがす治療法