天然の代用甘味料として知られるキシリトールは、口腔内の細菌による酸の産生がほとんどないことで知られております。
またキシリトールは、ミュータンス菌の代謝を阻害する効果も実証されており、虫歯の予防効果がある甘味料と言えるでしょう。
そして、1997年に登場したキシリトールガムが、虫歯の原因となる酸を作らないガムとして注目されました。
ここでは、キシリトールガムが虫歯予防になる理由と、注意していただきたい情報を紹介しようと思います。
そもそもキシリトールって何?
キシリトールは、シラカバやトウモロコシの芯から採れるキシラン・ヘミセルロースという物質を原料にした天然の甘味料です。
キシリトールは、木糖であるキシロースから合成される糖アルコールの一種で、砂糖と同じくらいの甘味があり、カロリーは4割程度低く、冷涼感があります。
キシリトールの効果
虫歯の原因であるプラーク(歯垢)は、口の中の食べかすや、砂糖から酸を作り、歯を溶かしていきます。
しかし、キシリトールは、プラーク中のミュータンス菌を減少させ、虫歯の原因となる酸を作らせない働きがあります。
さらに、キシリトールの糖アルコールには甘みがあるため、ガムを噛んでいる行為が、唾液分泌の促進につながります。
また糖アルコールには、プラーク中のカルシウムレベルを上げる働きもあるため、歯の再石灰化にも効果があると言われております。
・唾液分泌の促進
これらの2つ働きが、虫歯を予防する大きな要因となっております。
キシリトールガムの注意点
キシリトールが虫歯予防になることは間違いではありませんが、いくつか注意しておかなければならないことがあります。
まずはじめに、キシリトール入りと表記されているガム全てが、虫歯予防とならない点です。
キシリトール100%のもの以外は、少なからず砂糖が使われている場合があります。少量の砂糖が配合されていると、虫歯予防にはなりません。
次に、キシリトールが虫歯予防に良いからといって、過剰に摂取する必要はありません。
1日3回、1粒で効果が見込まれます(5分以上噛むことを推奨)。継続することが大切であり、定期的に摂ることで、口内環境を虫歯になりにくい状態に保ちます。
また、キシリトールは他の糖アルコールの大部分と同様に、弱い下剤の働きをするため、過剰摂取は下痢の原因にもなりますので、注意しなければなりません。
そして1番大切なことは、キシリトールガムだけで100%虫歯予防ができるわけではないということです。
人の口腔内には、様々な細菌が存在しています。キシリトールという原料は、ミュータンス菌を減少させ、虫歯の原因となる酸を作らせない働きがありますが、その他の細菌にも同じ効果が得られるわけではありません。
毎日の歯磨きに加えて、キシリトールガムを効果的に摂取することが、虫歯予防につながると言えます。