歯周病は、歯と歯茎の間に溜まった歯垢(プラーク)が原因で引き起こされる病気です。乳酸菌には抗菌作用があり、腸内環境を整えることで歯周病を予防すると言われております。
腸内環境を整えるには、ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品を積極的に摂ると良いとされております。
ここでは腸内環境を整えることで歯周病を予防することについて説明しています。
乳酸菌と歯周病の関係
発酵により糖から乳酸をつくる微生物の総称のこと
乳酸菌は悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える働きがあります。乳酸菌は人体に有益な菌であり、抗菌作用があることから善玉菌とも呼ばれております。
善玉菌は悪玉菌の増殖・定着を防ぎ、有害な物質を体外へ排出する手助けをします。そのため善玉菌が増えることで健康な状態を維持できるだけでなく、免疫力の向上にも繋がるといったメリットがあります。
歯周病菌には悪玉菌であるP.g菌が存在しており、増殖してしまうと歯肉からの出血・発赤・腫脹などの炎症の症状が現れます。この歯周病菌の増殖を抑制する働きを持つのが乳酸菌と言われております。
乳酸菌には様々な種類がありますが、抑制効果が高いものとして乳酸菌LS-1や乳酸菌L8020が挙げられております。
他にも免疫力を高めて細菌感染を予防するL-137や、細菌バランスを整えるL-ロイテリ菌などがあります。
歯周病による病気のリスク
歯周病の原因として歯垢(プラーク)がありますが、歯周病の症状である歯肉の出血は、様々な病気を引き起こす原因になることが明らかにされております。
歯周病になると歯肉の炎症を防ぐため炎症性物質が分泌されますが、この炎症性物質が全身を巡ることでインスリンの働きを妨げてしまいます。
インスリンは血糖値の上昇を抑える働きをしますが、インスリンの働きが妨げられてしまうと、高血糖が慢性的に上昇してしまうため糖尿病になる恐れがあります。
歯肉の出血は、出血箇所から歯周病菌が侵入し、血管を通り心臓にも移動してきます。その際に血管壁に炎症を起こす可能性があり、炎症部分から動脈硬化を起こし、狭心症や心筋梗塞を起こしてしまうこともあります。
歯周病は肺炎(誤嚥性肺炎や嚥下性肺炎)の原因になるとも言われております。肺炎を起こした患者からは、歯周病菌の原因菌が多く見つかっていることから、歯周病と肺炎の関係性があると見られております。
歯周病の人は歯周病ではない人に比べて2.8倍脳梗塞になりやすいと言われております。
歯周病の原因菌が血管内でプラーク(粥状の脂肪性沈着物)ができてしまうことで、血管の通り道を細くしてしまい、心臓病だけでなく脳梗塞にも繋がる危険性があると言われております。
腸内環境を整えよう
歯周病を予防するための基本は歯磨きですが、歯周病は肥満にも関係すると言われております。
肥満による脂肪の摂りすぎは腸内細菌が深く関わっており、脂肪から炎症を起こす物質の産生が促進されてしまうことで腸内細菌の構成が乱れます。
腸内細菌の乱れは、細胞内のプリン体が分解されてできる尿酸値を上昇させてしまい、歯周組織の炎症を悪化させてしまうと言われております。そのため腸内環境を整えておくことが大切です。
基本的には乱れた生活習慣を見直すことが第一になります。適度な運動や十分な睡眠、疲労やストレスの配慮など健康管理に気を配ることが重要です。
食事を見直すのであれば、善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)を増やすようにすると良いでしょう。ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品には、多くの乳酸菌が含まれております。発酵食品を、意識的に取り入れるようにして腸内環境を整えるようにしましょう。
まとめ
腸内環境を整えるためには乳酸菌の存在が欠かせません。メディアでも特集される乳酸菌は、健康食品やサプリメントなどでも注目される存在であり、歯周病との関係についても注目されております。
歯周病予防の基本は歯磨きによる口内環境を整えることですが、腸内環境も同時に整えて健康な身体を維持するようにしていきましょう。