歯科保健指導は、歯磨きの指導や食生活指導など、口腔内の健康を維持できるように主に歯科衛生士が指導しております。
指導内容は対象となる患者さんにより異なりますが、一般的な歯科保健指導で行われる内容と口腔内を健康に保つためのアドバイスを掲載しております。
歯科保健指導とは
口腔内の健康について正しい知識や技術を伝え保健行動の向上を目的とした指導のこと
歯科保健指導は、主に歯科衛生士が行う仕事のうちのひとつです。患者さん個人あるいは集団に対して、口腔内の維持に関した意識を高めて間違った知識や歯の磨き方を正せるように指導します。
歯科保健指導は歯科診療補助、歯科予防処置とあわせて歯科衛生士の3大業務と言われております。
・歯科保健指導…口腔ケアの方法を患者さんに指導する仕事
・歯科診療補助…歯科医師の診療をサポートする仕事
・歯科予防処置…歯垢や歯石を取り除いたり薬物を塗布したりする仕事
歯科衛生士は、患者さんの歯の健康を守る仕事をしております。歯科衛生士は歯科衛生士法に基づく国家資格であり、歯の専門家でもあります。そのため歯科衛生士は、歯に関する多くの知識や技術を持っております。
私たちが日常行う歯磨き、実は多くの方が適切な磨き方をしていないと言います。
虫歯や歯周病を予防するためにも正しい知識と技術を知ることが大切です。そのことを誰よりも熟知しているのは歯科衛生士です。
歯についての指導やアドバイスは、歯科医院でのみ行われているわけではありません。幼稚園や小学校で子どもたちに歯の健康の大切さを教えたり、正しいブラッシングを指導したりもします。
さらに介護老人保健施設等で高齢者への歯科保健指導や食事指導など、歯科保健指導は様々な場所で行われております。
歯科保健指導で行われる内容
歯科保健指導では、歯に関する知識や歯の磨き方を教えるだけでなく、虫歯や歯周病などを予防するための健康意識の向上や食生活における栄養バランスの説明なども行われております。
歯科保健指導は、幼児期から高年期までの各ライフステージにおいて、健康な人から病気や障害のある人など、すべての人を対象としております。
歯科保健指導では、虫歯や歯周病についての知識や歯の健康がどうして大事なのかなど、対象年齢に合わせてわかりやすく伝えます。
乳幼児期は、保護者を対象に育児知識や育児行動に対する支援・指導が行われ、幼稚園や小学校では、歯や口腔内の健康づくりに関した生活に必要な習慣や態度を身に付けるための支援・指導を行います。
中高生には具体的に歯と健康のつながりを説明することが多いです。
歯磨き指導ではセルフケアのスキルアップを専門的に支援します。
映像や模型などを使って正しい磨き方を指導してくれますが、ブラッシング方法として一般的な歯ブラシと電動歯ブラシでは磨き方が異なりますので注意しましょう。
年齢に合わせた歯のケア方法や、嚥下機能が低下した高齢者が誤嚥しないようにするための工夫なども行われます。
食事は健康を維持するためには欠かせません。歯の健康においても食事は大切です。
噛み応えのある料理などを用いた噛むことの大切さの教育や、食生活を支える歯や口腔の健康づくりについても指導してくれます。
厚生労働省では、8020運動も含めた歯科保健活動の推進において、食育も推進しております。
歯の健康を維持するためのアドバイス
歯を健康に保つためのポイントは、以下の通りです。
・栄養バランスのとれた規則正しい食事を心がける
・食事では一口30回噛むように心がける
・食後の歯磨きは時間をおき過ぎないように心がける
・歯科医院で定期的に歯のクリーニングを行う
・虫歯は放置せずに治療する
食後の歯磨きは歯医者ごとで異なる意見がありますが、一般的に食後20分から30分空けてから行うことが推奨されております。
また歯を磨く時間は3分とよく聞きますが、時間ではなくしっかり歯垢が落ちているかがポイントです。
歯科衛生士や歯科医師もおすすめなのが音波式電動歯ブラシです。音波式電動歯ブラシは一般的な電動歯ブラシよりも振動数が多いため、歯垢除去率が高いのが特徴です。
さらに歯の表面にブラシを当てなくても汚れを落とすため、歯の表面を痛めることが少なく歯の健康維持にはおすすめです。
まとめ
口腔内ケアは虫歯や歯周病に対してとても重要です。ご自身の歯の状態を確認するには、歯科健診で自身の保健行動や環境課題を見つけてもらうようにしましょう。
また日本歯科医師会の新しい歯科健診プログラム「生活歯援プログラム」では、生活習慣病の予防を目指したプログラムとなっており、セルフチェック版では手軽に口腔内をチェックできますので、やってみてはいかがでしょうか。
日本歯科医師会「生活歯援プログラム」